「カードショップって、実際儲かるんですか?」

トレカ店の支援をしていると、開業を考えている方からも、すでに店を回している方からも、この質問を受けます。この記事では、精神論を抜きにして、数字だけで答えます。

結論を先に言うと——やり方次第です。ただし「販売だけ」の店は、構造的に苦しい。 その意味を、モデル収支で見ていきます。

結論:「販売だけ」の店は苦しい。分岐は買取と販路

カードショップの収益性は、次の2点でほぼ決まります。

  1. 買取(=粗利の高い仕入れ)がどれだけ集まるか
  2. 販路が店頭の外に何本あるか

この2つが弱い店は、年商がそこそこあっても手残りが細い。逆にこの2つが回っている店は、同じ規模でも景色が違います。以下、実際の数字で確認します。

年商800万円店のモデル収支を公開

地方・個人経営・店主1人+バイト1名(短時間)の店を想定した月次モデルです。

売上内訳(月商 約67万円)

項目 月額 構成比
店頭シングル販売 30万円 45%
BOX・パック・サプライ 22万円 33%
買取品の販売(中古) 12万円 18%
イベント・その他 3万円 4%

費用と手残り

項目 月額
仕入れ(新品+買取原資) ▲42万円
家賃 ▲10万円
人件費(バイト) ▲7万円
光熱・通信・決済手数料ほか ▲4万円
手残り(店主の取り分) 約4万円

年商800万円で、店主の月の取り分が数万円——極端に見えるかもしれませんが、新品比率が高く買取が弱い店では珍しくない水準です。ここに店主自身の労働時間は含まれていません。

利益率を左右する3つの変数

このモデルの数字を動かせる変数は3つです。

変数①:買取比率

新品(粗利1〜2割)と買取品(粗利2〜4割)では、同じ1万円の売上でも手残りが倍近く違います。売上に占める買取品販売の比率を18%→35%に上げるだけで、上のモデルの手残りは月4万円→約9万円に変わります。

変数②:在庫回転

トレカは相場が動く商材です。回転が遅い在庫は、場所を取るだけでなく値下がりリスクを抱え込みます。「売れないから持っておく」は、実は損失の先送りであることが多い。

変数③:販路数

店頭のみ=商圏の人口が売上の天井です。ここを外す手段がECであり、その中でも競争環境が違うのが海外販売です。

3つの変数の中で、①と③は繋がっています。販路が増えて出口の売値が上がると、買取価格を上げられ、買取比率も上がるからです。この構造は海外販売がトレカ店の買取を強くする理由で詳しく解説しています。

同じ店に「海外販路」を足すとどうなるか

では、上のモデル店に海外販売を足した試算をしてみます。

前提:バイトの空き時間(1日1時間)で1日5件出品、月100件。平均売値$25、為替150円、eBay手数料等を差し引いた粗利率を35%とする。

項目 追加分(月)
海外販売売上 約37万円
粗利(35%) 約13万円
追加人件費 ほぼゼロ(既存の空き時間を充当)

月の手残りが4万円の店に、粗利13万円が乗る。しかも既存の在庫と既存の人件費で、です。さらに、店頭で値のつかない傷あり在庫の現金化(→「傷あり」ポケカは海外でこそ売れる)もここに加わります。

もちろん、立ち上げ期からこの数字が出るわけではありません。ただ、構造としてどこに伸びしろがあるかは、この試算で見えるはずです。

儲かる店に共通する習慣

最後に、数字がよい店に共通する運用習慣を3つ。

  1. 買取表を週次で見直す——出口の売値(国内+海外)から逆算して更新する
  2. 在庫の「回転日数」を見る——90日動かない在庫は出口を変える(値下げ or 海外出品)
  3. 空き時間に売上業務を割り当てる——遊休時間の使い方は店の遊休時間にスタッフが売上を作る方法

まとめ|「儲かるか」は構造で決まる

  • 年商800万円でも、新品依存・店頭のみの構造では手残りは薄い
  • 動かせる変数は「買取比率」「在庫回転」「販路数」の3つ
  • 海外販路の追加は、既存在庫・既存人件費のまま粗利を上乗せできる数少ない打ち手

自店の数字でこの試算をやってみたい方は、無料相談でお手伝いします。売上内訳と在庫の状況を伺えれば、その場でざっくりした試算をお出しできます。